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遺言・相続Q&A
ゴン太君

Q1.養子制度について教えてください。
A1.養子制度について

 養子縁組については、皆さんもよく耳にする制度であると思います。では、養子縁組にはどのような効力があるのでしょうか。

  養子とは、養子縁組の届けが受理された日から養親の嫡出子としての身分を得ることになります。つまり、養親と養子は縁組によって実の親子関係とほぼ同様の関係となります。従って、扶養の義務・相続などの法的な関係が発生します。では、実の親との関係はどうなるのでしょうか・・・。養子縁組することにより、実親との親子関係も存続します。つまり、養子にとっては、実親と養親の両方から相続できることになります。すばらしいですって?

  養子となることで、養親の家族に相続が発生すれば、相続人の一人となります。養子縁組の当事者は、養親と養子の合意による届出から発生しますので、他の相続人は取り消したりはできません。逆にいいますと、あえて他人を養子に迎える以上は他の家族には充分な説明と理解はあらかじめしておいたほうが無難でしょう。

  なお、ここで養子を取り上げたのは、別の箇所でもでてきました長男のお嫁さんに関しては嫁ぎ先の義父から相続が受けられないことで気の毒なケースがあるからです。特に、お嫁さんの配偶者(義父からみて実の息子)が不幸にも先に亡くなられてられる方などは、ぜひ養子縁組について考えてみられることを提案いたします。

 ※ なお、「特別養子」の場合では、その法的性質上、実親との親子関係は切れますので、普通養子とはかなり内容も異なっています。(民法817の2以降)

Q2.相続の放棄とはどういった意味がありますか
A2.相続放棄について

 相続放棄をしますと、初めから相続人でなかったものと扱われます。これは、あくまで相続財産に関してでありまして、被相続人との身分関係には影響は与えません。では、どういった場合に相続放棄のケースがあるのでしょうか。

 相続を放棄するケースとしましては、やはり被相続人の財産が、債務の方があまりに多い場合に利用されると考えられます。この場合は相続人の全員が放棄されることも多いのですが、土地や建物が相続財産に入っている場合に、放棄をすれば当然不動産も手放すことになりますので、微妙な金額の負債の場合には相続人のひとりが不動産を相続するかわりに債務も引き継ぎ、他の相続人の方が放棄されることもよくあります。

 さて、この「放棄」に関してですが、ここで意味する放棄はあくまで家庭裁判所に申述することで初めて効力のあることを意味しています。したがって、相続人間で行なった遺産分割協議において相続人のひとりに全ての財産を取得させる旨の協議は有効なのですが、民法に定められている放棄とは全く意味合いが異なっております。と、いいますのは前後して被相続人の多額の債務が判明した場合においては、家庭裁判所に申し立てておいて初めて無関係と主張できるからです。

 したがって、誰に対しても相続を放棄したと主張できるのは「相続放棄申述書」によって申し出た場合によるわけです。この放棄の申立てができるのは、相続が発生したことを知った日より3ヶ月以内と定められており、それも相続財産の一部を処分した場合には「単純承認したもの」とみなされますので、充分な注意が必要です。(民法915条)

 なお、被相続人が多岐にわたり商売をされていたなどの事情の場合は、財産全体の把握が難しいと思われますので、そういった場合はあらかじめ家庭裁判所に申し出て、調査期間を伸長してもらうよう請求してください。

 さて、相続の放棄が認められると、前述のとおり初めから相続人でなかったことになりますので、他の相続人の相続分が増加することになりますが、そうでない場合も考えられますので、ケースバイケースとなります。

 なお、被相続人の生前にあらかじめ放棄することはできないことになっておりまして、反面、親の借金を相続放棄しない旨の契約書なども無効ですのであわせて覚えておいてください。

Q3.特別受益について教えてください。
A3.特別受益について(民法903条参照)

 遺言にて財産分与に関してあまり詳しく記載がなかった、あるいは遺言そのものがなかった場合には相続人が集まって「遺産分割協議」をすることとなります。その話し合いの前提において、全員が納得する上で、やはり「公平であるか」が一番関係してきます。「特別受益」と「寄与分」はまさに公平の観点からの制度と言えるでしょう。

 特別受益について分かりやすくするため、被相続人である父が亡くなり、相続人が配偶者及び子供2人の場合を想定します。

 長男だけ住宅を建てるために父から生前に2000万円贈与されたとします。そして相続財産が8000万円だったとしましょう。本来ならば、長男の法定相続分は4分の1つまり2000万円なのですが、生前贈与の2000万円を加えると実に4000万円をもらうこととなります。弟さんの立場から考えますと兄さんは実に倍の財産をもらっておられますので不公平といえます。

 そこで、住宅資金の2000万円を相続財産を先にもらったものとする考え方で、この2000万円と相続財産の8000万円を加えて1億円の相続財産があるものとして分割するわけです。
すると、1億円の4分の2ですから、配偶者は5000万円、弟は4分の1の2500万円、そして、お兄さんは2500万円から生前贈与分の2000万円を差し引いて500万円を相続することとなります。

※特別受益がある場合
(今回の相続財産+特別受益)÷法定相続分
つまり、足してから按分するわけですね。

補足 特別受益と考えられるもの
・住宅資金として資金を出してもらった。
・結婚の際、持参金として相当の財産をもらっている。
・海外に留学させてもらった。
などのケースが考えられるでしょう。

 最後に、特別受益は被相続人が「遺言」で定めている場合においては、故人の思いが優先しますので、遺留分の明らかな侵害にあたらない限りは相続人からは主張できないと言えます。

Q4.寄与分について教えてください。
A4.寄与分について(民法904条の2参照)

 寄与分では、特別受益の計算とはまったく逆の計算をします。被相続人である父が亡くなり、相続人が配偶者及び子供2人の場合を想定します。

 相続財産が1億円あったものとします。たとえば、お父さんが事業をされている際に、長男が父の事業の業績アップに大いに貢献していたとしましょう。そしてその貢献した努力をお金で換算して仮に2000万円とします。

 そこで、まず相続財産よりお兄さんの貢献分の2000万円をあらかじめ引いてしまいまして、8000万円をまず法定相続分で分けます。すると、配偶者の奥様は4分の2の4000万円、弟さんは4分の1の2000万円、そしてお兄さんは、4分の1である2000万円に加えて、寄与分の2000万円というわけで4000万円を取得することとなります。

※寄与分がある場合
(現実の相続財産−寄与分)÷法定相続分
つまり引いてから按分するわけですね。

補足 寄与分として考えられる場合
・お店の運営に大きく貢献した。
・病弱の被相続人を最後まで介護した。
・被相続人名義の建物のローン返済の大部分を負担した
などのケースが当てはまるでしょう。

 最後に、寄与分も特別受益と同様に、被相続人が「遺言」で定めている場合においては、故人の思いが優先しますので、遺留分の明らかな侵害にあたらない限りは相続人からは主張できないと言えます。



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