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いきなり不幸にも相続が発生しました。それではまず、何をしなければならないでしょうか。もしものための手続きを皆様の頭に入れておかれることも無駄なことではないと思うわけです。

(1) 死亡届
死亡日から7日以内。主治医に「死亡診断書」を書いてもらいます。「死亡診断書」と一緒に住所地の役場に提出します。
(2) 死体火葬許可申請書
死亡日から7日以内。死亡届と同時に申請します。申請用紙は役場あるいは葬儀屋さんがもっています。
上記の2つは、同居の親族が提出することもありますが、葬儀屋さんが代行することも多いようですね。
続いて葬儀を執り行うこととなりますが、これはやはりプロに任せたほうがよろしいかと思われます。(※注 別に葬儀屋さんのPRではありませんからね。念のため!)
まず、喪主を決めてから世話役等をお願いして、当日の進行等の説明をしてもらいます。なお、どのくらいの予算で葬儀を執り行うかはあらかじめ決めておくべきでしょう。後日の各法要にも影響しますので。そのあとの近所への挨拶等はここでは省略します。
ここでは、領収書をキッチリ整理しておく必要があります。葬式費用として控除できるものとできないものがあるからです。
なお、お墓、仏壇などは祭祀財産となり、課税されません。また、香典、慰霊金は非課税となります。では、生命保険は?このことは結構複雑なので、別のところで解説しましょう。

さて、無事に?葬儀が終わりました。早くも一週間たちました。とりあえず、次はなにをしたらよいでしょう。(遺言書の扱いはここでは触れませんよ。)
(3)銀行口座の名義変更
金融機関に名義変更を届けますと、口座から現金を引き出せなくなります。これは、相続が確定するまで遺産を保全するためですが、まったく引き出せないと残された家族がたちまち生活できなくなることにもなりかねませんので、預金の引き出しの請求をしておきます。戸籍謄本、印鑑証明等けっこう必要な書類がでてきますので、あらかじめ確認されることをお勧めします。
(4)世帯主変更届
死亡日から14日以内。住所地の役場に提出します。戸籍の記載内容にも変更が生じます。
(5)各種名義変更(家族の生活に密接に関係があるもの)
世帯主が亡くなった場合には、多くの名義変更手続きが必要です。
考えられることを挙げてみました。
- 電話の承継、電気、ガス、水道、受信料等。
- 各種カードなどの解約。
- 住宅を借りておられる方は、契約の承継あるいは解除。
(使用貸借の場合は承継は難しいかもしれません。)
- 持家の方は移転登記(⇒このあたりは後で詳しく説明しましょう)
(6)勤務先との各種手続き
- 死亡退職届(死亡退職金などと関連しています)
- 給与の未払い分の受け取り、退職金等の受け取り。
- 社員証等の返却。
(このあたりの手続きは勤務先と相談されることとなります。)
(7)各種免許証などの返却
余談ですが、かの手塚治虫氏の医者の免状が話題になっておりましたね。原則は返還です。
なお、高齢者の福祉サービス等も廃止の手続きが必要でしょう。

さて、あっという間に1ヶ月がすぎてゆきました。皆さん、このホームページでは何度も指摘しますが、相続は放棄する場合は3月以内に意思表示しなければいけません。四十九日が過ぎれば大抵このあたりで遺産分割の話しがでてきます。皆様自身の相続分はとにかくとさせていただきまして、相続に伴う税金についても検討される必要があります。
話のついでではありませんが、つぎの(8)にでてきます「準確定申告」です。
(8)準確定申告について
被相続人が亡くなった日から4カ月以内に提出します。通常の確定申告に似ていますが、相続人が代わって申告することとなりますので、相続人の身分証明書等が必要です。なお、1月1日から3月15日までに亡くなったケースでは、前年度の確定申告もすることとなります。
ついでにこのあたりで生命保険のお話しを簡単にさせていただきましょう。
(9) 生命保険金の請求
被相続人が亡くなってから3ヶ月以内に請求します。とりあえず「保険証書」を確認のうえ、保険会社に連絡します。数日後に「死亡保険金支払請求書」が届きますので、必要事項を記載の上、返送します。
なお、生命保険に関しましては、受取人に支払われますので、相続財産とは少し性格が異なります。
よって、指定された受取人自身が相続分を放棄したとしても、保険金の受取も放棄しなければならないことにはなっておりませんので注意が必要ですね。ポイントは誰が保険金を支払っていて、どなたが受取人なのかによって異なる税金が発生しますので注意しましょう。保険の受取人が亡くなった方自身のときは、相続人が請求することとなります。
※なお、死因によっては保険金が受け取れないケースもあります。
※ 保険金の請求は3年で権利が消滅します。
(10) 遺族年金について
被相続人が加入されていた年金によって扱いが異なります。
・国民年金のみ加入されていた場合
被保険者の妻とその子(18歳未満)に支払われるのが「遺族基礎年金」です。ただし、既婚の子供は対象にはなりません。
被保険者の妻が10年以上の婚期がある場合で、60歳から65歳までの間ならば「寡婦年金」を受給できます。なお、65歳を超えると「老齢基礎年金」に変ります。
・厚生年金にも加入していた場合
「遺族厚生年金」が受給できます。また、遺族が妻と18歳未満の場合は、あわせて「遺族基礎年金」も受給することができます。
被相続人と請求者の年金手帳を用意して社会保険事務所まで申し出てください。
なお、「遺族基礎年金」が受給できない場合は、「死亡一時金」がもらえることもありますので、窓口で聞いてみましょう。

そうこうしている間に一周忌がきてしまいました。何か他に忘れていることはないでしょうか。
(11)葬祭料の請求
・国民健康保険の被保険者が亡くなったとき
「国民健康保険葬祭費申請書」によって市町村役場に請求できます。 埋葬許可書、印鑑、保険証を持参してください。
・健康保険の被保険者または非扶養者が亡くなったとき
「健康保険埋葬費請求書」を勤務先に提出します。社会保険事務所でも受付てもらえます。故人の給与の1ヶ月分とされています。
・労災により亡くなった場合
「葬祭料」を事業所の管轄する労働基準監督署に問い合わせてください。
※「葬祭費」「埋葬料」は亡くなった日から2年以内に請求することが必要です。
主な手続きはこれで終了です。なお、より皆さんがわかり易いようにタイムチャートにしてみました。本文と併せてご覧ください。

さて、ここでは配偶者がお亡くなりになったことを想定して「相続」以外に考えておくべきことを三点ほどまとめてみました。
復氏届(民法751条)
配偶者が亡くなって、夫婦の一人が残された場合、市長村長に届け出て旧姓に戻ることができます。ただし、復氏によってすぐに姻族関係も切れるのかというと、そうではありません。復氏届のみでは、あくまで結婚前の姓に戻るだけで、配偶者の親兄弟と親族関係が終了するわけではないのです。
姻族関係終了届(民法728条)
姻族関係終了届を提出することによって、はじめて結婚による親族関係が終了します。これによって、配偶者の親族との扶養義務などがなくなります。不幸にして若くしてパートナーを亡くされた場合などで、心気一転して新たなスタートを望む方のなかには、この届けをする人もおられます。なお、通常の離婚とは別ですので、亡くなった配偶者と離婚したことにはならないのが異なるところです。
※法律は6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族が親族であると定めています。(民法725条)
直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養の義務があります。(民法877条1項)
なお、特別の事情がある場合は、家庭裁判所は3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができます。(民法877条2項)
子の氏変更許可申立て
復氏届によって、母が旧姓に戻ってしまった場合には子供と母の名字が違うケースがでてきます。特に子供がまだ幼い場合には、母と同じ姓でないと本人が不思議に思ったりするようですので、住所地の家庭裁判所に届けておくことができます。
※相続に関することよりも身分関係に関することですので、番外編とさせていただきました。
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